お主も悪よのう~越後屋さんと対決始めた 三菱の創始者 ~岩崎弥太郎の生涯 その七 ~
2020年12月16日
~三菱グループ創業者 岩崎弥太郎の生涯 その七 ~
コハルストック講師の河端です。
いつもトレードの話ですが、本日は気分転換に
番外編を書きたいと思います。
今日は三菱グループの創始者 岩崎弥太郎の生涯 パート7です。
三菱商会を作り商売という大海原に飛び出していった
弥太郎であるが、この男が最初に勝負に出たのが
海運の事業である。
当時海運事業は明治新政府が船を払い下げ
「日本国郵便蒸汽船会社」(現日本郵船)が国の後ろ盾を受け
海運事業を牛耳っていた。
そこに真っ向から立ち向かったのが三菱である。
郵便蒸気船会社の社員は旧武士階級のものが多く
態度が横柄、しかもかなりの上から目線であった。
そこへ三菱はサービスの向上で
勝負をかける。 運賃・サービスで客を引き付ける・。
次第に郵便蒸気船会社は客を三菱に吸われだす!
ここで三菱と対決した男がいる
「三野村利佐衛門」この男
三井組筆頭番頭である。
というより実質 三井組ナンバーワン!
(この男第6話で弥太郎に二十万両貸した男・・・。
元は武士だが苦労して三井をのし上げた有能な人間である)
実は日本国郵便蒸汽船会社は三井組が後ろ盾となっていた。
三菱の賃下げに対し、それを上回る賃下げ、航路の確保をし、
三菱と対決するのである。
では三井とは何か・
三井家の伝統稼業は呉服屋「越後屋」
越後屋さんは三井さんなのである。
時代劇で有名なセリフ
「お主も悪よの~越後屋 お代官様こそ・・。」というように
江戸幕府では幕府と仲良し、明治政府では新政府と仲良し
と国に追随する 三井グループ
銀行設立、国の方針に追随していた。
「三菱」対「三井」 ここから両社の因縁対決の
火ぶたが切って落とされる!
三菱は「岩崎弥太郎」 三井の後ろ盾は「日本政府」
客の奪い合いによって、猛烈の賃下げ競争となり、
企業戦争勃発! 真っ向勝負する!
しかし、当然企業体力の劣る新興・三菱が劣勢な状況になる!
しかし弥太郎は賃下げ競争をやめない
賃下げしすぎて、とうとう社員に給与を払えなくなった
社員は無報酬で働くが、そんなものすぐに限界が来る!
当然岩崎弥太郎に社内の批判が集中しだす。
で この男は何をしたか、、、
ある夜社員全員引っ張り出し、
自分の家の権利書持って、吉原(遊郭)に出かけるのである。
なんと自分の家を担保にして、
飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎをするのである!
「おい弥太郎、少しは家のことを考えろ!」
この男はここが勝負と見たのである!
この勝負を引けば負けることを肌で感じていた。
そして逆転の風が吹く!
明治政府がもめる中、台湾出兵が決定し、その兵や食料、
武器の運搬を明治政府は当然「日本国郵船蒸汽船会社」に頼むが
なんと日本国郵船蒸気船会社は三菱との戦いが大変だから
断ってしまったのである。
政府は断られたから、三菱にその話を持っていく
大久保利通、大隈重信らが三菱と話を付け、
明治政府の海運は「三菱」に移行したのである!
勝負あり!!
明治政府の海運事業は三菱が中心となり、進められることとなる。
「日本国郵便蒸汽船会社は解散に追い込まれる。
(のち、日本国郵便蒸汽船会社は三菱に吸収される)
他にも他の外国汽船会社に対し、弥太郎は客を引き付ける方法として
積み荷を担保として金を貸すという金融手法「荷為替金融」を始めた。
荷為替金融は弥太郎が始めたのである。
客は一気に三菱の船に殺到し、外国汽船会社を圧倒した。
「
西南戦争」においても三菱は海運会社として、巨額の利益を得ることになる。
岩崎弥太郎とうとう本当に日本を代表する商人になったのである!
弥太郎、よかったーパチパチパチパチ となりたいところだが、
毎回のことだがそうはいかない
三井の「三野村利佐衛門」が岩崎弥太郎 潰しの遺言残していたのである!
三井は「共同運輸会社」を設立。
政府の後ろ盾を取り戻し、徹底的に三菱をたたく
三菱VS三井
お互いがお互いを憎み合い、航路は塞ぐ、船着き場で喧嘩は勃発
(今でいうと、東京駅八重洲口で、三菱の社員さんと三井の社員さんが
殴り合いのけんかをし、流血騒動になるといったイメージ
今ではあり得ないが、一度ぐらいあっても面白いかもしれない・・・。)
とうとう航路譲らず、船が衝突
乗客乗員220人が犠牲になる
「おいおい客のことを考えろ!」
泥だ、泥沼だ この両者はドロドロの泥仕合へ突入する。
恐らく、ここまでしなくても、
お互いが成り立つ方法はあったかもしれないが
弥太郎は泥仕合の中へと進む
「なぜこの男はこの道を選ぶのか?」
それは 泥が故郷だからである。
元は汚ねー地下浪人
泥の中で育ったから、そこが一番落ちつくのである
弥太郎のパワーの源は泥の中にある!!
対決はヒートアップしていく!!
次回へ続く~